レム睡眠とノンレム睡眠って何が違うの?

睡眠は、単に脳や体を休める「活動停止の時間」だと長らく考えられてきました。しかし研究が進むにつれて、睡眠には質的に異なる2つの状態があることがわかってきました。それが「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」です。 

レム睡眠:体は休んでいるのに脳は働いている

レム睡眠中は、体は休息していますが、脳は覚醒時と同じくらい活発に動いています。まぶたの下で眼球が激しく動く「急速眼球運動」が見られることから、その頭文字をとってレム(REM)睡眠と名付けられました。レム睡眠中には夢をみることが多く、目覚めた直後にその内容を覚えていることも多いのが特徴です。脳は活動していますが、筋肉は弛緩して緊張がゆるんでいるため、体は動きません。血圧や呼吸も乱れやすくなり、全身が覚醒モードへ移行する準備をしている状態といえます。 

ノンレム睡眠:脳も体もしっかり休む 

一方のノンレム睡眠は、心拍数や呼吸数が低下し、脳も体も休息モードに入っている状態です。ノンレム睡眠中にも夢をみることはありますが、頻度は少なく、起きたあとに記憶に残っていないことがほとんどです。 

約90分周期で繰り返される眠りのサイクル

正常な睡眠では、眠りについた直後にまず深いノンレム睡眠が現れます。入眠初期は浅いノンレム睡眠から始まり、段階的に深い眠りへと移行し、最初のノンレム睡眠がおよそ90分続いたあと、レム睡眠に切り替わります。ノンレム睡眠が始まってからレム睡眠が終わるまでの一つの流れを「睡眠周期(睡眠サイクル)」と呼び、この長さにはおよそ70〜120分という個人差があります。この周期を一晩に4〜5回繰り返しながら、朝が近づくにつれて眠りは徐々に浅くなっていき、入眠から7〜8時間ほど経つと自然に目が覚めるのが一般的な流れです。「睡眠周期は90分」とよくいわれますが、実際には一晩の中でも入眠初期と明け方とで周期の長さが変わり、その日の体調によっても変化するため、必ずしも一律に90分というわけではありません。

眠りの深さで変わる「目覚めやすさ」 

ノンレム睡眠は入眠直後に現れやすく、副交感神経が優位になるため、心臓や血管の働きが落ち着き、体温や代謝も低下して、全身が休息モードへと切り替わります。一方でレム睡眠中は心拍・呼吸・血圧などの自律神経の働きが活発になり、朝方に近づくほど増えていきます。これに伴って、下がっていた深部体温も上昇し始め、全身が覚醒モードへと移行していきます。もっとも浅い睡眠段階で目が覚めると、すっきりとした目覚めになりやすいとされています。「レム睡眠は浅い眠りだから目覚めやすい」といわれることもありますが、詳しく調べた研究では、レム睡眠の中にも外部からの刺激に反応しにくい段階があることがわかっており、実際には目覚めやすいときとそうでないときがあります。

この記事のまとめ

睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」という異なる状態があります。ノンレム睡眠では脳と体が休息し、レム睡眠では体を休めながら脳は活発に活動します。この2つは約70〜120分の周期で一晩に4〜5回繰り返され、朝が近づくにつれて覚醒に向けて体の状態も変化していきます。

参考文献・出典

一般社団法人ブレインヘルスラボ監修『SLEEP PLANNER』PART1「睡眠の基礎知識」第4章1・2「睡眠の種類/脳波と覚醒・レム睡眠・ノンレム睡眠の分類」(執筆:西野精治/本文40〜41ページ)

本記事は情報提供を目的としたものであり、診断や治療を目的としたものではありません。
症状や治療については、必ず医療機関にご相談ください。

SUPERVISOR

西野 精治

西野 精治

スタンフォード大学医学部精神科教授。ナルコレプシーの発生メカニズム解明で世界的評価を受ける睡眠研究の権威。ブレインスリープ創業者として、研究の知見を暮らしの中に活かす活動にも取り組んでいる。

WRITING

SLEEP ACTION LAB 編集部

SLEEP ACTION LAB 編集部

SLEEP ACTION LAB の編集チームです。医師・研究者の監修のもと、睡眠の悩みや疑問、そしてさまざまな人の眠り方を取材し、「眠りを、みんなで考える」ための記事をお届けしています。