朝が苦手な人は、まず何をすればいい?

朝の光を浴びることで、メラトニンの分泌が抑えられ、体内時計がリセットされます。朝が弱いと感じている方は、まずカーテンを開けることから始めてみてください。

「朝が弱くてなかなか起きられない」という悩みを持つ方は多いものですが、実はその解決の第一歩は、カーテンを開けて光を浴びることかもしれません。朝の行動は、その日の夜の睡眠に大きく影響します。

その理由のひとつが、起きている時間が長くなるほど高まる「睡眠圧(眠ろうとする力)」です。睡眠圧は起床後約14〜16時間後に高まるとされているため、夜眠りたい時刻から逆算して、朝の起床時刻を整えることも大切です。例えば23時に眠りたいのであれば、朝7〜9時頃を目安に起床し、まずカーテンを開けて朝の光を浴びることから始めてみましょう。

希望就寝時刻と適切な起床時刻

光には「サーカディアンリズムをリセットする」働きがある

朝目覚めたときに光を浴びることで、24時間より少し長いサーカディアンリズムをリセットすることができます。これには比較的強めの光が必要ですが、太陽光であれば数分間浴びるだけでも十分な効果が期待できます。また、朝に光を浴びてからおよそ13〜15時間後には、脳内で睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌され始め、スムーズな入眠へとつながっていきます。生体リズムをリセットするためだけでなく、夜のスムーズな入眠のためにも、朝は積極的に日の光を浴びることが大切です。ちなみに曇りの日であっても、外の光の強さは室内の照明よりもはるかに強いため、朝はできるだけ外の光を取り入れる工夫をするとよいでしょう。

朝食としっかり起きることが夜の熟睡感を高める

朝から脳の覚醒を高めていくことが、夜の熟睡感につながります。そのためにも、光を浴びる以外に朝食をきちんととることも重要です。咀嚼という行為そのものが脳を活性化させてくれるためです。さらに、温かい汁物やホットドリンクを摂取することで体の内部の温度(深部体温)が上がり、覚醒がより高まります。

またすっきり起きられない方は、アラームを2段階に設定して、浅い睡眠のタイミングで起床する方法もあります。深い睡眠のときに無理に起きると、頭がぼんやりしたり体がだるく感じたりする「睡眠慣性」が起こりやすいため、浅い睡眠のタイミングで起きることでこれを軽減できます。

二段階アラームのかけ方

この記事のまとめ

「朝が弱い」という悩みは、根性で解決するものではなく、光の使い方次第で変えられる部分が大きいものです。目が覚めたらまずカーテンを開ける、それだけの小さな習慣が、体内時計を整える大きな一歩になります。

参考文献・出典

一般社団法人ブレインヘルスラボ監修『SLEEP PLANNER』PART2「睡眠の応用知識①」第1章3「起床時の行動」(執筆:岡島義/本文92ページ)

本記事は情報提供を目的としたものであり、診断や治療を目的としたものではありません。
症状や治療については、必ず医療機関にご相談ください。

SUPERVISOR

西野 精治

西野 精治

スタンフォード大学医学部精神科教授。ナルコレプシーの発生メカニズム解明で世界的評価を受ける睡眠研究の権威。ブレインスリープ創業者として、研究の知見を暮らしの中に活かす活動にも取り組んでいる。

WRITING

SLEEP ACTION LAB 編集部

SLEEP ACTION LAB 編集部

SLEEP ACTION LAB の編集チームです。医師・研究者の監修のもと、睡眠の悩みや疑問、そしてさまざまな人の眠り方を取材し、「眠りを、みんなで考える」ための記事をお届けしています。