寝室は何度に設定すればいいの?光や音は気にしなくていい?
季節に応じた温度・湿度の管理と、朝の光・夜の暗さ、静かな環境を整えることが、深い眠りをサポートしてくれます。「なんとなく寝苦しい」と感じるときは、まずこの4つを見直してみましょう。
寝室の温度・湿度・光・音を医師が解説:快眠をつくる睡眠環境の整え方
「なんだか寝苦しい」「今日は妙に寝つきが悪い」——そんな夜が続くとき、実は寝室の温度・湿度・光・音という4つの環境要因が大きく関わっています。よい睡眠をとるためには、体の内部の温度(深部体温)をスムーズに低下させることが重要です。室内の温度が暑すぎると体内の熱がうまく放散されず、脳や身体を十分に休ませることができません。逆に「寒いと眠くなる」というイメージとは裏腹に、寒すぎる環境も交感神経を高め、手足の血管を収縮させてしまうため、熱放散がうまくいかず深い睡眠にはつながりません。
温度:「やや涼しい」がちょうどいい
快適な寝室の温度は「やや涼しいと感じる程度」がよいとされています。目安は、冬は19℃前後、夏は25℃前後です。夏場は、就寝の2〜3時間前からエアコンを24〜25℃程度に設定し、あらかじめ部屋を冷やしておくとよいでしょう。朝までつけっぱなしにすると冷えすぎてしまう場合は、2時間程度でオフになるタイマーを活用するのがおすすめです。冬場は、寝室が16℃以下になると寒さで目が覚めてしまうことがあるため、できれば16℃以上を保ちましょう。気密性のよい部屋であれば、寝る前にしっかり23℃以上に温めておき、暖房を切って寝るのが理想的です。
湿度:夏は50〜60%、冬は40〜50%が目安
温度だけでなく、湿度も睡眠環境の重要な要素です。目安は夏が50〜60%、冬が40〜50%とされています。夏は湿度が上がると寝苦しく感じやすいため、エアコンの除湿(ドライ)機能をうまく使うとよいでしょう。冬は空気が乾燥し、鼻や喉の乾燥から風邪をひきやすくなったり、夜中に目が覚めやすくなったりします。加湿器がない場合は、濡れたタオルを部屋に干しておくだけでも、湿度対策になります。
光:朝はしっかり浴びて、夜は避ける
光は睡眠にとって諸刃の剣です。朝、目覚めたときにしっかり光を浴びることで、24時間より少し長い体内時計をリセットすることができます。太陽光であれば数分間で十分な効果が得られ、曇りの日でも屋外の光は室内照明よりずっと強いため、朝はできるだけ外の光を取り入れましょう。一方で夜、特に就寝前にブルーライトのような波長の短い光を浴びると、眠りを促すホルモンの分泌が抑制されてしまいます。就寝前は暖色系の照明に切り替え、寝る1時間前にはさらに明るさを落とすのがおすすめです。睡眠中に真っ暗だと不安な方は、ごく弱い光(3ルクス程度)の間接照明であれば、睡眠への影響はほとんどありません。夜中トイレに起きる際も、部屋の照明ではなく足元灯を使うと、再入眠がスムーズになります。
音:世界保健機関の基準は45デシベル以下
静かな寝室ほど質のよい睡眠につながることは明らかですが、世界保健機関(WHO)は寝室の騒音基準として、最大音量45デシベル以下、平均音量30デシベル以下を推奨しています。45デシベルを超えると夜中に目が覚める回数が増え始めるため、就寝前はスマートフォンをスリープモードにしておくことも大切です。また「雨の音 睡眠」と検索する方も多いように、規則性と不規則性がほどよく混ざり合った「1/fゆらぎ」と呼ばれる音(雨音、波の音、虫の音、クラシック音楽など)には、副交感神経を刺激してリラックスさせ、眠気を促す効果があります。ただし、眠りについたあとは音が睡眠を妨げることもあるため、5〜10分程度で切れるタイマー設定にするか、無音を好む方は無理に音楽を使う必要はありません。

この記事のまとめ
温度・湿度・光・音は、それぞれ単独でも睡眠に影響しますが、組み合わせて整えることでより効果を発揮します。「アイマスク」や「遮光アイマスク」を使って光を遮断し、温湿度をエアコンで管理し、気になる音は環境音でマスキングする——こうした小さな工夫の積み重ねが、質のよい睡眠につながります。
参考文献・出典
一般社団法人ブレインヘルスラボ監修『SLEEP PLANNER』PART2「睡眠の応用知識①」第2章1〜4「温度/湿度/光/音(騒音・音楽)」(執筆:丸山崇/本文94〜100ページ)
本記事は情報提供を目的としたものであり、診断や治療を目的としたものではありません。
症状や治療については、必ず医療機関にご相談ください。
WRITING
SLEEP ACTION LAB 編集部
SLEEP ACTION LAB の編集チームです。医師・研究者の監修のもと、睡眠の悩みや疑問、そしてさまざまな人の眠り方を取材し、「眠りを、みんなで考える」ための記事をお届けしています。