寝不足だと風邪をひきやすくなるの?

睡眠不足は免疫の働きを弱めてしまうため、風邪をひきやすくなってしまいます。よく体調を崩す方は、睡眠時間もぜひチェックしてみてください。

「人混みに出たわけでもないのに、また風邪をひいてしまった」——そんな経験がある方は、睡眠時間を振り返ってみてください。
睡眠と免疫力の関係を調べたある実験では、健康な被験者の鼻に風邪のウイルスをあえて投与し、その後の発症率を調べました。その結果、睡眠時間が5時間未満の人たちは、7時間以上眠っている人に比べて、風邪の発症率がおよそ3倍にもなることがわかったのです。
具体的には、睡眠時間が5時間未満の人の発症率は45.2%だったのに対し、7時間以上眠っている人では17.2%にとどまっていました。

さらに見逃せないのが、予防接種への影響です。睡眠時間が十分でないと、ワクチンによる免疫の獲得がうまくいかず、せっかく予防接種を受けても、その効果を十分に発揮できないという報告もあります。

なぜ睡眠不足で風邪をひきやすくなるのか

体内にウイルスが入り感染すると、免疫細胞が働き、サイトカインと呼ばれる情報伝達物質を放出します。このサイトカインには体温を上げて発熱させる働きがあると同時に、脳に働きかけて眠気を強める作用もあります。つまり私たちの体は、「しっかり眠ることで免疫の働きを整えよう」としているのです。「風邪をひくとよく眠れる」と感じるのはこのためです。ところが睡眠不足の状態が続くと、このプロセスがうまく機能しなくなります。免疫機能が正常に働かなくなることで、感染症そのものにかかりやすくなるだけでなく、いざかかってしまったときの回復も遅くなってしまうのです。

睡眠は最も身近な感染症対策

季節性のインフルエンザや、時に流行する新しいウイルスへの備えとして、手洗いやマスクと同じくらい、十分な睡眠をとって免疫力を底上げしておくことが大切です。「最近よく風邪をひく」「一度体調を崩すと治りが遅い」と感じている方は、まず睡眠時間を見直すところから始めてみてはいかがでしょうか。

この記事のまとめ

睡眠不足が続くと免疫機能が低下し、風邪などの感染症にかかりやすくなるだけでなく、回復にも影響します。免疫の働きを整えるためにも、十分な睡眠時間を確保することが大切です。

参考文献・出典

一般社団法人ブレインヘルスラボ監修『SLEEP PLANNER』PART1「睡眠の基礎知識」第2章3「感染症」

本記事は情報提供を目的としたものであり、診断や治療を目的としたものではありません。
症状や治療については、必ず医療機関にご相談ください。

WRITING

SLEEP ACTION LAB 編集部

SLEEP ACTION LAB 編集部

SLEEP ACTION LAB の編集チームです。医師・研究者の監修のもと、睡眠の悩みや疑問、そしてさまざまな人の眠り方を取材し、「眠りを、みんなで考える」ための記事をお届けしています。