運動はいつやると睡眠にいいの?
運動する時間帯によって、睡眠への影響の出方が変わってきます。筋トレした日は 眠くなるという感覚には理由があり、タイミング次第で睡眠の質を大きく左右します。
運動のベストタイミングと睡眠の質の関係
運動をした日はよく眠れた、という経験がある方は多いのではないでしょうか。実際、運動には睡眠を改善する効果があり、普段からよく眠れている人よりも、不眠傾向にある人のほうがその効果は顕著に現れるといわれています。
運動が睡眠を改善する理由の一つは、入浴と同じように、運動によって体の中の温度、深部体温が大きく上がったあとに下がる作用が起こり、皮膚温度との差が縮まって眠くなりやすくなるためです。トレーニングした日は眠いと感じるのは、まさにこの体温変化によるものと考えられます。
運動のタイミングで変わる効果
一般的には、上がった深部体温を再び下げる時間を確保するため、就寝4時間前までに運動を行うと効果的といわれています。夕食後に軽い運動をすると、サーカディアンリズムによる深部体温の低下との相乗効果で、運動前よりも深部体温が低くなり、入眠が促進されるとともに深い眠りも増えることが報告されています。
また、午前中の運動には体内時計を前進させる効果があるとされ、夜型の人やつい夜更かししてしまう人は、仕事の開始前などに軽い運動を行うと、睡眠のリズムが整いやすくなります。
逆に、夜間の激しい運動は就寝時刻になっても深部体温が下がりきらず、覚醒水準を上げてしまうため、睡眠には悪影響です。仕事終わりにジムでハードなトレーニングをするのは注意が必要かもしれません。

1回だけでなく「習慣化」がカギ
1日だけの運動でもその日の夜はよく眠れる効果がありますが、翌日にはその効果はなくなってしまいます。一方、週2〜3回以上の習慣的な運動は、深い眠りの増加、寝つきの改善、総睡眠時間の増加、中途覚醒の減少など、さまざまな睡眠改善効果をもたらします。特に中等〜重度の不眠傾向がある人ほど、この習慣的な運動の恩恵を受けやすいこともわかっています。
効果的な運動の強さと種類
睡眠に効果的な運動の強度は、じんわりと汗をかく程度で、最大心拍数の70%前後で20〜60分程度が目安です。筋肉痛になるほどの激しい運動はかえって寝つきを悪くすることがあるので注意しましょう。ジョギングや水泳、サイクリングなどの有酸素運動のほか、スクワットや腕立て伏せなどのレジスタンス運動(筋力トレーニング)も、睡眠の質の改善に高い効果があるとされています。ヨガやピラティスといったマインドボディエクササイズにも、睡眠の質を改善し、不安やうつの症状を和らげる効果があると報告されています。自分の体力や好みに合わせて、これらを組み合わせて取り入れるとよいでしょう。
この記事のまとめ
運動は深部体温や体内時計に働きかけ、寝つきや睡眠の質を改善します。就寝直前の激しい運動は避け、就寝4時間前までを目安に行うのがポイント。さらに週2〜3回以上習慣化することで、深い眠りの増加や中途覚醒の減少が期待できます。
参考文献・出典
一般社団法人ブレインヘルスラボ監修『SLEEP PLANNER』PART2「睡眠の応用知識①」第4章1〜3「タイミング/頻度/効果的な運動」
本記事は情報提供を目的としたものであり、診断や治療を目的としたものではありません。
症状や治療については、必ず医療機関にご相談ください。
SUPERVISOR
西多 昌規
WRITING
SLEEP ACTION LAB 編集部
SLEEP ACTION LAB の編集チームです。医師・研究者の監修のもと、睡眠の悩みや疑問、そしてさまざまな人の眠り方を取材し、「眠りを、みんなで考える」ための記事をお届けしています。