睡眠に良い食事・悪い食事ってあるの?
野菜・果物・魚介類・全粒粉などをバランスよく取り入れた食事は睡眠によく、糖分や飽和脂肪酸の多い食事は睡眠を悪化させる傾向があります。「睡眠に良い食べ物」を探す前に、まずは食事全体のバランスを見直すことが大切です。
睡眠に良い食事・悪い食事を医師が解説
「睡眠 に 良い 食べ物」「よく眠れる食べ物飲み物」と検索したことがある方も多いのではないでしょうか。基本的に睡眠によい食事とは、栄養バランスが整っている健康的な食事に他なりません。野菜や果物を中心としたバランスのよい食事で、1日に必要なビタミンや栄養素を摂取することが大切です。特定の食品だけを意識するよりも、砂糖や飽和脂肪酸、加工された炭水化物を多く含む食品を避け、野菜や食物繊維、不飽和脂肪酸を多く含む食品を積極的にとることが推奨されています。
睡眠によい食事の代表格「地中海式食事法」
野菜、果物、ナッツ、豆類、全粒粉、魚介類、鶏肉、ヨーグルト、オリーブオイルなどを中心とした地中海式食事法は、不眠や短時間睡眠に悩まされることが少ないという研究結果があります。豆類や魚介、鶏肉にはセロトニンやメラトニンの材料となるトリプトファンが豊富に含まれており、全粒粉にはそのトリプトファンが脳に届くために必要な複合炭水化物が含まれています。
睡眠に悪い食事とは
睡眠の質が悪く不眠に悩んでいる人の多くは、食事の質そのものがよくないことが研究で示されています。具体的には、ブドウ糖や砂糖、乳糖などを多くとると、夜中に頻繁に目が覚めやすくなるといわれています。食後の眠気も、食事内容と無関係ではありません。飽和脂肪酸が多く食物繊維が少ない食事は、睡眠を浅くし、日中の回復力を下げてしまう可能性があります。また、就寝前に消化の悪いものや脂質の多い食べ物をとると、逆流性食道炎などが生じて睡眠を妨げることもあるため注意が必要です。
特定の栄養素より「規則正しい食事」を
個々の研究では睡眠によい影響を与える食品や栄養素も報告されていますが、ほとんどの人にとっては、規則正しくバランスのとれた食事を心がければ、特定の栄養素だけを意識して摂取する必要はないと考えられています。
この記事のまとめ
睡眠によい食事の基本は、特定の食品ではなく栄養バランスです。野菜・果物・魚介類・全粒粉などを取り入れ、糖分や飽和脂肪酸を控えることがポイント。規則正しくバランスのよい食生活が、質のよい睡眠につながります。
参考文献・出典
一般社団法人ブレインヘルスラボ監修『SLEEP PLANNER』PART2「睡眠の応用知識①」第5章1・2「睡眠と食事について/睡眠によい食事と悪い食事」
本記事は情報提供を目的としたものであり、診断や治療を目的としたものではありません。
症状や治療については、必ず医療機関にご相談ください。
SUPERVISOR
西野 精治
スタンフォード大学医学部精神科教授。ナルコレプシーの発生メカニズム解明で世界的評価を受ける睡眠研究の権威。ブレインスリープ創業者として、研究の知見を暮らしの中に活かす活動にも取り組んでいる。
WRITING
SLEEP ACTION LAB 編集部
SLEEP ACTION LAB の編集チームです。医師・研究者の監修のもと、睡眠の悩みや疑問、そしてさまざまな人の眠り方を取材し、「眠りを、みんなで考える」ための記事をお届けしています。